武蔵野美術大学 Institute of Innovation 卒業・修了制作展 2022
2023年1月20日(金)~1月22日(日)市ヶ谷キャンパスにて初となる、クリエイティブイノベーション学科、大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの卒業・修了展が開催されます。(文責 M2 五十嵐)
卒業・修了展では、私たち岩嵜ゼミ修士2年生の6名が地下2Fにて、「岩嵜ゼミ 修了制作展」の形で集合展示を行います。
ぜひ多くの方にご来場いただきたく、今回は6名それぞれの研究テーマと研究概要を紹介します。私たちの研究テーマは、地球環境や政治の問題からワークスタイル、暮らし方まで様々な領域にわたりますが、「デザイン」という方法論をもって向き合ってきました。本展では、各々が掲げるテーマへの問題提起と未来に向けた可能性を感じていただければと思います。
「アクターネットワーク理論とケアの視点に基づく新たなデザイン方法論の提案」 明石啓史
アクターネットワーク理論やケアの視点を取り入れることで、見過ごされている繋がりの可能性を捉え、自分含みの世界に応答する倫理的・実践的な取り組みとして、デザインの可能性を探求した。非人間を含む多様な他者とともに、関係性を内側から変容させていく新たなデザイン方法論を関係論的デザインとして提案する。
# 文化人類学 #ケア #共生
「基礎自治体職員におけるデザインアプローチ適用の有用性と障壁」 五十嵐悠
海外では公共の領域において、デザインのアプローチが積極的に活用されている。日本国内でもその動きが始まった。本研究では、生活者と最も近い市区町村の自治体職員にとって、デザインのアプローチにどのような有用性があり、また導入障壁があるか検証する。Web アンケート調査と特定自治体の実践活動から明らかにする。
# 行政 #アンケート調査 #政策立案の実践
「ポストCOVID-19時代のリモートネイティブ世代におけるワークプレイスに関するデザインの構想」 小川望
COVID-19 の流行に伴う働き方の変化に着目し、リモートネイティブ世代にとって最適なワークプレイスのあり方を構想した。現在は生産性や衛生面を重視したオフィスが数多く提案されているが、本研究ではリモートネイティブ世代の心理的側面から、スペキュラティヴな視点でワークプレイスの未来をデザインした。
# スペキュラティヴデザイン #自立共生 #働き方
「Z世代の政治参加の認識を変容させるためのデザイン」 コウシェンジュ
U30 世代の投票率向上に向けての啓発活動は数多く行われているが、本研究は選挙と選挙の間をつなぐために日常的な政治参加に焦点を当てる。Z 世代における新しい政治的アイデンティティを抽出することで政治参加の認識を変容させるツールをデザインし、実践的展開としてサービスデザインを提案する。#Z 世代 #政治参加 #サービスデザイン
「トランジションデザインアプローチを活⽤した循環型社会の研究 ~昭和初期の中⼭間地域における循環型の暮らしからの考察~」 野崎琴未
滋賀県長浜市の中山間地域をフィールドに調査を実施し、昭和初期における循環型の暮らしを支えていた人々のメンタルモデルや習慣などの文化的要素を抽出。また、現代の大量消費型社会へと変化していく過程を、社会の動きというマクロな視点と、人々の日常生活やメンタルモデルというミクロな視点の両方から考察した。
# トランジションデザイン # 循環型社会 # フィールドワーク
「量り売り型小売店における価値共創促進を通じたサーキュラーデザインの実践」 山本莉央
量り売り型小売店の価値共創プロセスを礎とした実践を通じて、サーキュラーデザイン活動の拡張を提案する。現在の製品を中心としたデザインの議論に対し、価値共創を中核概念とするサービスドミナントロジックの視点を盛り込むことを目指し、新たな小売形態である量り売り型小売店における価値共創プロセスの把握を試みた。
#S-D ロジック #価値共創 #サーキュラーデザイン
展示会に向けて、鋭意準備中です。展示では私たちの研究のほかにも、ゼミで過去に輪読した本なども紹介する予定です。
岩嵜ゼミ以外の展示も多様であり、学生一人ひとりが培ってきた創造的思考力が表現されたものとなっています。もし気になるテーマがあれば、ぜひ足をお運びいただければと思います。皆様にお会いできることをゼミメンバー一同楽しみにしております。
*新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、一般公開でのご来場に際し、学外の方につきましては予約サイトからの予約が必要となります。